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パフューム(ある人殺しの物語)

リックマンさんが出演しているサスペンス映画『パフューム』を見ました。

続き
華やかないい匂いと、目を背けたくなる悪臭と、花を積むことと香りの抽出を生業とする人々ののどかな生活と、それが悪意に変わったときの荒んだ糾弾の声と、色々印象に残る映画でした。
ああいうワケのわからない(普通の人間の感性でははかりしれない)異常な感性を細やかに描いている作品は好きだなあ。
丁寧な不条理映画は大好きです。

何よりリックマン氏!娘を心配するリックマン氏が似合うよー!!
(正しい形で)娘がいる父親役って初めてですよね?
衣装もいいし、人間らしいし、出番も多いしで(出てくるのはちょっと遅いですけど)個人的に『シャンプ−台のむこう』と張るくらいいい役柄だったと思います。
キャスティングした人はリックマン氏の持ち味をよくわかってるなあ。
娘を失った後も激することなく淡々と語る演技も、リックマン氏ならではだと思いました。
大事なものを失った深い絶望が伝わってきます。
「周りの誰がお前への興味を失ったとしても、私はお前の隣にいよう。お前が死ぬその瞬間には、憎しみを酸のように一滴一滴その目に注いでやる」
なんていう台詞を聞いたときにはちょっとスネイプ先生を思い出しました。

スー先生もそうなのかなあ。守るべき大事なものを失ってしまったからあんなに根強い憎しみを抱いているんでしょうか。
それとも、先生が憎み憎まれつつもまだ生きているのは、何か大事なものを守るためなんでしょうか。
それは一体なんだろう。形のない、約束とかのものなのかな。
もしそうなら、それから解放されたとき先生はどうなっちゃうんだろう。
気になります。