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コウモリと鳥

妄想です。

ある日コウモリは打ち捨てられていた鳥の卵を見つけます。
見よう見まねで営巣し、卵を抱いて温めて孵すのですが、
孵ったヒナはコウモリのことを好きではないのです。
コウモリは他の親鳥みたいにふかふかした羽根もなく、
だから自分の肌をびったり密着させてヒナを温めるのですが、
ヒナはそれが気持ち悪くてしょうがないのです。
巣の中も硬くてじっとり湿っていて居心地はよくありません。
あるときヒナの仲間の鳥が現れてヒナを連れて行こうとします。
コウモリは自分の子供を奪われるように感じて抵抗するのですが、
ヒナはコウモリより自分に似た鳥の方に懐いていて、
「鳥は鳥に育てられるのが一番だよ。コウモリの親なんてね」
と周りも声を揃えるばかりで、
ヒナを卵から孵したコウモリに味方する者はどこにもいません。

ずっと覆いかぶさるように卵とヒナを抱いていたコウモリは
自分の背がひどく曲がり猫背になっていることに気づくのでした。
巣の中で猫背で佇んでいるうちに急に自分の巣が憎らしくなってきて、
かぎ爪で巣材をはがし、穴を空け、そのみすぼらしい巣を壊すのでした。

コウモリ=スー先生
ヒナ=ハリー
仲間の鳥=シリウス

でも先生はいつまでも心の中に巣を持っているのです。
抱く対象がなにもない、からっぽの巣を。

めるへんかにばりー

スー先生の指を食べるルー先生。
骨っぽくて皮っぽくて薬くさい指をさんざん舐ったあと
おもむろに歯をたててぽりぽり食べはじめるのでした
試験管を持てなくなって怒るスー先生を見て
すこし申し訳ない気持ちになりながらも
胸いっぱい溢れてくる愛おしさに突き動かされて
スー先生のお鼻にやさしくちゅーするのでした
一番好きなお鼻は最後まで残しておくルー先生。

そんなほのぼのでちょっと切ないルスネが見たい。

たまご

スー先生の抱卵シーンが見てみたい。
かさかさした指先で撫でたり、鉤鼻をすりつけるように頬ずりしたり、
全身使って、どうにかしてつめたい卵をあたためようとするんです。
朝起きるころには、自分の体温がたまごに移って、少しだけあたたかくて、
先生はそれが愛おしくて、離れがたい気持ちになりながら、
たまごを地下において行くんです。

夜、授業が食事が終わって、夜間徘徊するハリーをどやしつけて、
地下の自室自分の部屋に降りて行って、誰の気配もないのを確認して、
おもむろにベッドの上にごろりとおいてあるたまごをだっこするんです。

先生は自分の中に隠しもっている熱を何かに注ぎたがっていると思います。
その熱は、愛情や、やさしく思う気持ちからくるものではなく、
憎しみを燃やしてできる熱や、執念によって維持されている熱で、
それを使って先生はたまごを暖めているんだから、先生のたまごには
憎しみがしみこんでるのかもしれません。
でも先生は確かにそれを慈しんで、抱いているんです。
壊されないように地下の自分の部屋にしまっているんです。

たまご

スー先生が猫背なのは卵を抱いているから。
守るように、隠すように、大きな卵を大事に大事にかかえているからです。
先生の卵を割らないでいてあげる人が好き。
ルー先生とかリリーとか。

先生の卵はいつも割られてしまう。
周りの人間は、先生がどれだけそれに執着しているか、
どれだけそれを慈しんでいるかということを知らない。
だから笑って割ってしまうのです。

先生は卵を抱いているけど、卵はもう孵らないかもしれません。
孵らない卵を大事に抱いている先生をそっとしておいてあげてほしい。

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