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スー先生と死

スー先生はデスイーター時代にどれたけの人を殺めてきたんだろうか。
リリーとの歩む道を違えてから、自分にはこれしかできないからと言い聞かせながら、どれだけの懇願を無視してその命を奪ってきたのか。
愛しいリリーを失って、そのツケが回ってきたと感じたであろうし、また、喪ったリリーへの贖罪を果たすためには新たなる犠牲もいとわない心境だったと思います。
チャリティ先生を見殺しにしたのも、ダンブルドアを殺したのも、彼に与えられた「役割」で、それを理解はしながら、新たな罪で手を汚しながら、どこかで救済を求めていたのかな。
ハリーをも救うことができないと知ったときは本当に辛かっただろううな。
先生が最後に自分を見ろといったのは、ハリーの運命が、もしかしたら自分の記憶によって変わるかもしれないと思ったからかもしれないですね。
他人の人生においては死神でしかなかった自分がいなくなることで、なにかが変わることを期待したのか。
もう誰も死んだりしなくていいように、悲しんだりしなくていいように。
ヴォルデモート側にいてもダンブルドア側にいても誰かを殺さなくてはいられないなんて、あの時代は本当に、戦争だったんだなと思います。

庇護しなければ死んでしまう病続き

スー先生はリリーを失ってからというもの、自分の生きる意味を見いだせず、むしろ罰せられることを望んでたのかもしれないですね。
ハリーを守るという使命によって生きる意味を与えられたのかな。
誰かを守ることでしか自分の存在意義を見いだすことができない、誰かを守ることで自分が守られているというスー先生は、なんだかとても悲しいなぁと思います。
献身的な自己犠牲こそがリリーへの償いとなり、また、スー先生のアイデンティティとなっていたのか。

(ここから妄想)
スー先生がルー先生のために脱狼薬を煎じてくれたり、面倒をみてくれたりしても、それすらも自己犠牲の一貫でしかなく、愛着などないのかもしれない。
本能的に弱った者を守らずにいられないだけなのかもしれない。
とか考えているルー先生が萌えます。
スー先生の(内面には罪悪感からきているであろう)優しさに甘えながら、これは僕が望んでいるものではない気がする…と漠然と感じているルー先生なルスネが萌える。

喪失

スー先生が命を落としたことを、ルー先生は知っていたのか。
敵だと思ったままでも、恨んだままでも、そういうことは一切関係なく、スー先生が死んだことを知ることがあったのか。

なんとなくルー先生はその喪失にはもう耐えられないんじゃないかと思います。
ただでさえ「自分は幸せになるべきではない」と思っている人だというのに、そのうえスー先生の真実を知り、愛情と罪の代償の大きさを思い知らされたら、ルー先生が今まで通り生きていられるとは思えない。

互いが死んだことを知らず、あらゆる意味で互いを喪失することなく最後のそのときを迎えられたのだとしたらいいな。

どうして、どうしてと思う気持ちはまだありますが
今はあの最後がもっとも痛みが少なかったのではないかとも思えます。

ルー先生は幸せだったのかなぁ。

ヴォルピー

ピーターには妻子もないし地位も名誉も失うものは何もない。
さらに言えば純血だの穢れた血だのって思想もどうでもよかったと思うんですよね。
守ってもらえたらそれでよかった。ダンブルドアでもヴォルデモートでも誰でもよかった。
死にたくなくて、傷つけられたくなくて、ひたすら逃げてたどり着いたのがあの位置だったんじゃないかな。

ピーターの目は誰も見てない。主人が闇の帝王だろうが偉大な魔法使いだろうが本当はどうでもいい。
ヴォルさまはそれが透けて見えて腹立たしい。信頼できない。でも手放せない。悔しいから。
ピーターの目が恐怖の色を浮かべているときが唯一ヴォルさまが安心できる瞬間なのです。

バイオレンスなヴォルピー。

ピーターとヴォルさま

妄想です。

ピーターって怖いキャラですよね。
守るべきものも理想も正義も何にもなくて、ただ恐怖から我が身を守りたい。
ジェームズたちと過ごしたホグワーツ生活をウィーズリー家で過ごしたスキャバーズ生活と同等に考えてそうだ。
仲間を裏切るということをなんとも思っていない。
そんなピーターに頼らざるを得ないヴォルさま…
ピーターの変わり身の早さと自己評価の低さをヴォルデモートは馬鹿にしていると共に恐怖もしていると思います。

変わり身の早さは…
自分が死んだ後のことを嫌でも考えさせる。
ジェームズやダンブルドアを呆気なく裏切ったように自分のことも簡単に切り捨てるのではないか、自分が死んでもこいつは何らダメージを負うことなくのうのうと生きているのではないか、自分ではない誰かに「あなただけです我が君」などと平気で言うのではないか、つまり「自分の代わりなどいくらでもいるのではないか」と、そう思わせる。
ナンバーワンでなくてはいけないヴォルさまにとってそれは想像するだけでも耐えがたいことだ。

あと自己評価の低さ…
ピーターの卑屈さはヴォルさまの尊大さと対極に位置する。
愛を知らないヴォルさまは、サラザールの血を引いているとか魔法の力が強いとか、そういった「自分が特別である」ことを支えに生きてきた。
愛されることの代わりとして畏怖されることを支えとして生きてきた。
なのでピーターの自己評価の低さが信じられない。
最初はその卑屈さを鼻で笑っていても、だんだん自分の価値が揺らぎそうで怖くなってくる。
「僕は特別な人間じゃありません」「何の取り柄もなくただ生きているだけです」なんて、ヴォルさまが自分では最も認めたくないことを平然と言ってのけるから。
なぜそんなことを言えるのだ?なぜ貴様はそれで生きていられるのだ?なぜ俺様はこんな奴に頼らねばならないのだ?と。

ヴォルさまはピーターを軽蔑しながらも恐れている、それを認めたくなくて力や恐怖で縛り付ける。
それは忠誠とは違うんだけど。
愛とはさらにかけ離れているんだけど。
ピーヴォルいいな。

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